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よしこの乗馬日記 5



                        
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51  鞍目  623 日(日)7:40 - 8:30  Take It Easy /R

 馬場がぐちゃぐちゃなので、ゆっくり乗るようにと言い置いて、Kはいとこの結婚式に行くからとでかけていった。Hに馬を用意してもらって乗る。トロットとsitting trot をする。スピードが出ていないので、sitting trot がやりやすい。やがて、Rが来た。柵の上に腰掛けて私の走るのを見ている。地面はぬかるみだけれど、馬が私の言うとおりに走るので、楽しい。水溜りにあわせて馬自身もスピードコントロールをしていた。馬場をY字型に走ってごらん、という指示。それは、直線で真ん中を走って、途中で輪を描いて帰ってくるということが判明した。つまり、金魚すくいの輪みたいな線を描くのだ。輪の部分はいいのだけれど、直線がどうも曲がる。馬がよくわかっていないみたい。修正しながら何度目かに真ん中を直線で走れるようになった。最後にRが乗って同じことをやってみた。
 新メンバー、タイ人の7歳の男の子。Lがブラックコマンドを連れてきて、庭の中で引き馬した。M姉弟も来た。学校が休みなので、子どもたちでにぎやか。


52  鞍目  624 日(月)7:40 - 8:30  Take It Easy /KR

 昨夜も雨。でも朝には上がっていた。タケオは、休み。Kがゆっくり走る私を見る。ほとんどが泥なので気をつけながらトロット。後半、馬がやる気をなくしたのか、出口付近を回るときは、手綱を強く引かないと逃げる。コーナー早めにキックを入れる。後半、Rとテイクイットイージーの口笛トレーニングをした。でもあまりうまく出来なかった。前にやったことを忘れたみたい。馬の足を洗ったあと、芝生の上でグルーミングをした。最近は自分専用の雑巾をいつも持って来るようにしている。


53鞍目 626 日(水)7:40- 8:30  Take It Easy /R

 日がさして暑いぐらい。Kにブリティニアの調教を持たせてもらった。うしろ45度で持つ。中で自分自身が小さな円を描く。目がまわらないよう、馬を見る。しかし、長いことできずに終わった。馬が私の方を見てすぐ止まる。調教用の長いムチがここにはない。高いから買っていなのかな。いいお天気なので、みんなで馬の運動をさせている。RKも、馬車の担当者も並んでレーンジング。私は、それから馬に乗りトロットをずっとやっていたが、最後に、カンターが出来た。壁側の直線距離でぱーっと走った。Rがすかさず、「ホホール」と言って止めさせた。が、ちゃんとお褒めの手をたたいてくれた。やった!乗馬体操をしてグルーミング。M一家が来た。


54 鞍目  627() 7:40 - 8:30  Take It Easy/ R

 早朝から新メンバーが来ていた。Kがレーンジングでトロットの練習を私のテイクイットイージでさせている。別の馬を用意させようか、と聞いたけれど、自分の馬に乗りたかったので、「いい、待つわ」 横でRが馬の運動をさせていたので、そのレーンジングをさせてもらった。手に紐を巻きつけない。馬が走り出して引っ張られるかもしれないから。結び目が何箇所か作ってあって手が止まるようになっている。やり方を教わり始めた頃、Kがレッスンを終わり、馬に乗りなさいと言った。今日はレーンジングでカンターのはず、だったが、Kは学校への出張レッスンのため途中からいなくなった。トロットを一人でする。Hが「見張り」役として残される。Rが横で引きつづきガラントリーの調教をしている。
 ほぼ私の行きたい方向とスピードで、馬が動いてくれる。ためしに歩かせたり、トロットにしたり、方向転換など、惰性では動かないようにいろいろやった。入り口近くでは、曲がらないで止まってしまうことが何度もあったが、意識して早めに蹴って曲がらせると大丈夫になった。
Sitting trot がなかなかうまく行かない。スーパーグルーはどうした。バンプしてばかり。Rは、鞍の上でダンスをするように、自在に体を動かしてごらん。それで、いい位置を見つけたらいい、という。壁側の直線コースでは、馬が昨日のことを覚えていて、カンターしそうなそぶりを見せた。トロットが異常に速くなるので押さえた。調教を終えたRが柵のところでHと話をしている。よし、カンター出しちゃえ。出た。ぱかぱか気持ちよく。Rが注意深く、「ホホール」と止めた。それから、手をたたいてくれた。カンターで馬場を一周してもいいか聞いた。カーブが難しいので、それは取りやめ。何度か同じ直線コースでカンターをした。まだ、多少不安だった。Rが「深呼吸」と言った。何度かやって自信がついた。
 最後にジグザグにトロットやってらっしゃい、と送りだされた。急ターンの練習。これ、カウボーイみたい。楽しい。明日もやってみよう。今日は、お尻の傷の絆創膏を貼らないで来てしまったが、ジーンスをはいていたので、どうってことなかった。噛まれた肩の傷もかさぶたが取れはじめてきた。
 馬に感謝の気持ちを込め、時間をかけてグルーミング。帰り支度をしていたら、
M一家が来た。子どもたちはあくびしたり、目をこすったり、眠そう。クラウンドリーム、ガラントリー、ミッドナイトが用意される。ともみちゃんが馬と鞍の不調を訴えて降りた。Rが乗ってしつけをする。でも、彼もやりにくそうだった。調教の時もガラントリーはうまく動いていなかった。こんな時は、馬を代えたほうがいいかも。でも、もう、私の帰る時間。


55 鞍目  628() 7:40 - 8:30  Swift Lady/Golden Star/K

  カンターいっぱいできた。うれしい。テイクイットイージーだったらもっとうまくできたはずだけれど。
 朝一番は、新会員のシンガポールの女の人。
Kが、ミスターパーフェクトのレーンジングでトロットをさせていた。三回目だが、楽しくすっきりした顔をして、「あんまり気分いいから、これから仕事に行くのいやになっちゃった」と私に言った。今日は、Kが騎乗して、いよいよ私のカンターをリードするという。彼女は、「わあ、カンターするの!」とほとんど羨望のまなざし。
 
Lがテイクイットイージーを見に行って背中の具合が悪いから別の馬を、という。スウィフトレディに乗る。Kがミスターパーフェクトに乗り、さあ! カンターが早速始まっている。Kが走ると、馬場がいっぺんに華やかになった。今日は、なぜかスタッフ総出。L,H,B,P,G,Rみんな柵のところにいて、Kと私を見ている。椅子まで持ち出して。なんだ、なんだ、見世物か。トロットでまずあとを付く。スイフトレディの乗りが悪い。「ムチがいるね」とK。ゴールデンスターの用意が出来て連れてこられたので、Kは、乗り換えた。ミスターパーフェクトは、ネパール人男性の初心者のトロット・レーンジングに使われた。Rが担当。
 私は、片手に手綱を持って、片手にムチ。
Rが手綱を短く、と注意。Kのあとについて、池側のコーナーからけりを入れて、ばしっとムチをあててカンター。でるでる。こわいけれど楽しい。みんなが見ているから、今日は、落ちるわけには行かないぞ。馬場を何度か大きく回る。しかし、その後、輪乗りになると、池の反対側で必ず止まる。馬ががんとして動かない。帰りたがる。それで、大きい乗りをしてみたけれど、やはりダメ。Rが私に降りるように言う。Lが乗ってしつけをする。Lお得意のカンター。Rが、よく見ておくんだ、と私にいう。「下半身をしっかりグリップ、上半身をおもいきりリラックスさせること」
 もう一度乗ったけれど、やはり馬は、私の命令をきかない。後ろ足で立ったりする。
Kが、馬を取り代えようと言った。ゴールデンスターにはまだ抵抗があったけれど、乗ってみる。大丈夫だった。私のポケットから何かが落ちそうだとRが注意した。私のネパール語の教材。ウサギの詩をメモしたもの。持てて、と渡しておいた。
 Kが、こわいならトロットでいこうと言った。そして、彼の指示に従ってミニ曲乗り。手綱の片手持ちで手を横に広げたり、上に上げたり、両手とも放したり。頭を左右のサドルに落としたり。立ち乗り。前かがみ、うしろ反り返り。(これ、ウオークでも危ないって言わなかった?)Kは、楽しそうにいろいろやる。私は、うしろからついて走りながらまねをする。ゴールデンスターがこわくなくなった。リラックスして走った。ポロみたい。ミニポロゲームは出来ないかしら。きっと楽しいだろう。
                   * 

 終わったあと、グルームボーイがスイフトレディを水洗いしたので、顔を拭くだけにした。Rが、「うさぎはどこへ消えた?」といきなりネパール語で聞いた。「藪の中へ消えた」と私。私のメモを読んだのだ。「ボクがこわがると、うさぎはどうなる?」「うさぎはもっとこわがる」「ジャーん(もっと)」と発音訂正。「ジャーン」と私。「だめ、だめ、ジャh−ん」かすかな有気音。「じゃあーン」思いっきり強く言ってみる。「違う、違う」Rはなんだか楽しそうに、何度も口の形を見せた。ネパール語の有気音は、中国系と違う。すごくソフト。一瞬空気を口の中に溜め込んでおいて隙間からふわっと逃がす感じかな。だから、人によって濁音になったり、清音になったりする。どちらもOKみたい。でも、空気がうまくコントロールされていないと、別音に聞こえるらしい。私のネパール語の先生は、あまりこの区別にうるさくない。Rは厳しい。ネワール人だからか。
 みんなが集まってきて、ウサギの歌で盛り上がる。
Rが歌うように、振りをつけて読む。Lが、「よしこが馬をこわがると、馬はもっとこわがる」とまじめな顔をしてパロっている。Hが、これを私のためにヒンディ語にする、と言い出し、熱心に書き始めた。彼は、ネパール語が得意ではないので、Kがその翻訳を手伝う。出来上がったヒンディ語をみんなで、笑いながら合唱。子どもの詩でえらく盛り上がった。ネパール人はほとんどがヒンディ語が分かる。共通語のネパール語の他に家庭では自分の部族の言葉。それから英語。4か国語をあたりまえのように操っている。すごいなあ。


56鞍目  629() 7:40 - 8:20  Northern Crown/K

ノーザンクラウンの支度が出来ていた。大きい馬なのでちょっといやだった。私のテイクイットイージーは、ドクターから7日間の使用停止が出ているそう。背中の傷が治らないのだ。
 最初、トロットが出にくかったが、一度ムチを使うと走り出し、後は、調子がついてラクに走った。速い。馬場を大回りする。同じころ、アダムズチョイスでトロットしはじめたシンガポールの
Mさんを、私が追いついては追い抜いていく。そろそろカンターしようと思ったが、まだ多少びびっている私。手綱を右手だけに持ちかえ、左手にムチを用意して尻に当てると、カンターが出た。あとは、何度か繰り返した。安全のためカーブではトロットに。Mさんが前を走っているので、加減しながら。
 だいぶ疲れたので、ウオークに変える。
LRKが馬場の真ん中に立っていたので、その周りを回ることにした。「え、僕たちが標的になるの?」といいながら、Kはみんなに少し間隔を置いて並ぶように言った。三人が一列に並んだ。でも、私がその間を回ると、彼はおっかなそうに身をよけた。以前ノーザンクラウンにひどくムチを当てたことがあるのできっとうらみに思っている。蹴られるのを恐れていると言った。それで人間標的はやめて、また全周トロット。今度は、いろいろ自由にやってみた。片手乗り。これは意外に楽しい。バランスがかえってうまく取れる。後は、立ち乗り、うしろ反り返り、鐙から足を外して競馬乗り。最後は、サイドサドル。片足だけ鐙にかけて横乗り。Kが見咎めて、馬が急にバッキングするといけないから、やめなさいと注意。
 降りるとき、馬が頭を下げていて手綱をちゃんと持たなかったのでまた注意。
Kはなんだか安全コンシャスになっている。今日は、これから学校の生徒たちが大勢が来るので、グルーミングはせずに、鞍をつけたままにしておく。M家の子どもたちと学校のバスが続いて到着。大勢いの人がいっせいに馬場に入る。しばらく雨が降っていないので、白い砂埃が立ちこめた。
 来たときから、オーナーの家の前でプジャ(祈りの儀式)が始まっていたが、いまや佳境に入っていた。花や果物、その他のお供えが飾られ、聖油や色粉などが並べられ、祈祷師が読経をして、もう一人が鐘と法螺貝を鳴らす。全身白ずくめのオーナーが出てきて、プジャを受けた。ついで、奥さんが赤ちゃんを抱いて出てきた。やや月足らずの8か月で生まれた女の子。赤ちゃんのプジャが短い時間あった。今日は、誕生
11日目の命名式なのだそうだ。おめでとうを言った。オーナーは、「しばらく見ないうちにずいぶん上達したね」と私に言った。「それに、やせたよ。乗馬効果だね」そういう彼もやせている。「うん、赤ん坊やつれなんだ」


57鞍目  630() 7:40 - 8:30  Northern Crown/K

 夜明け前までしとしと雨が降っていたが朝にはやんだ。午前中はもちこたえ、午後、ちょうどサッカーの決勝戦の始まる4時半過ぎに雨になった。乗馬客が来ないからスタッフはTVが見られてよかったのかも。
 馬場がぬれているので、今日は、カンターしてはダメと
Kが言った。ノーザンクラウンに乗ってトロット一周。最初はウォークで馬場一周。ムチなしでトロット出るか心配だったが、チラッとムチを見せると動いた。あまりたたかなくてよかった。Rが横で、ガラントリーアウォードのレーンジングをはじめた。Sitting trotがうまく出来ない。バンプしている。腹を動かせとKが言うのだが。途中で降りてKのデモンストレーション。お腹(つまり腰)が前後に激しく動く。どうもトロットの時の二倍の速さであるような。見ても出来ない。最後は鐙に足をかけないでトロット。
 K
は元気がない。聞くと、きのうから下痢をしているそう。2週間前は、Rがおかしかった。彼は、最近まで薬を飲んでいた。ここの人は、いつもお腹をこわしている。事務所の前にあるウォータータンクの飲料水は、実は水道の水である。ホースでボトルに水を入れているのを目撃してしまった。きのうMさんが飲んでいたが。いつも自分の水を持ち歩くこと。


58鞍目  7月1日() 15:00 ー 16:00  Northern Crown/K

 朝、9時過ぎに行ったら、馬場の具合がよくないので、午後に来るようにとKが言う。午後3時から、まだ泥の多い馬場で、Lに見張られてトロット。楽しくない。うまく走ってくれない。私のやる気がないのか伝わっている。後半は、止まらないノーザンクラウンに止まり方を教えた。ちょっとくさったまま馬場をあとにする。 


59鞍目 73日(水)15:00 − 16:00   Northern Crown / K

 月曜午後と同じで、不調。Kは、馬に対して怒らなくては馬をコントロールできないという。馬をかわいがるのは、下りてからにしなさい、と。私は、ムチを使うことに抵抗がある。自然のコマンドだけで行きたい。どうも、Kはノーザンクラウンが嫌いみたい。


74日(木) 8:309:00 Take It Easy/R

 調馬索の練習。馬場が悪いので乗らないで、調教の練習をさせてもらうように頼んだ。Rが今、調馬索をしているから教わりなさい、とすんなりOK。今日は、学校が休みで出張教授はない。Kは、ジャケット着てくつろぎモード。馬場では、Rがグルームボーイに調馬索を教えているところだった。悪いので見ているだけにしようと思ったが、「アウヌス(こちらへ)」と言われて輪の中へ。グルームボーイは、私に調馬索を渡してくれて、交代。
 片足を軸にして、そのつま先をいつも馬のお尻の辺りに直角に向けながら、もう片足を円周上におく。やってみると、馬と綱を通じてダンスをしているような具合。なかなか楽しい。私一人では馬が動かないけれど、横についていてもらうとちゃんと走る。トロットから、ウオークにしたり、止めたり、いろいろやる。言葉が分かるようになっていたのでびっくりした。「ウオーク」という掛け声に反応して、ちゃんと歩く。テイクイットイージ、君、いつの間にできるようになったの?
 索の左右を付け替えて継続。一度止まらせると、もう終わりかなと私の方にすり寄ってくる。押し戻して、また走らせた。あと、グルーミング。足を洗ったあと、芝生へ移動。手で毛を浮き立たせる。タオルで顔を拭く。ブラシングは、
Rが馬房へ連れて行ってやると言った。背中の擦り傷がかなり治ってきている。背骨がずいぶん湾曲している。鞍があっていないのかもしれない。この子は細くて体の厚みもないから。


60鞍目 7月6日(土) Take It Easy/L

 Hの許可が出て(Hはドクター代わりだと、Lが言った)テイクイットイージーに乗った。もう、とてもよく走ってくれて、これまでのストレスが取れた。Mさんもちょうど同じ頃来て、ゴールデンスターでレンジング始めた。調子でなくて困っていたみたい初心者にゴールデンスターはないでしょ。
 あちこち泥沼なので、ちょっと飛んでやれと思って、両足でお腹を蹴ったら、カンターしてしまった。馬場の真ん中を突っ切って走ったので、みんなが驚いた。私は平気だったが。
 そのあと、泥で足が滑って、馬が前足を折るように曲げてよろけた。で、私は落ちた。降りた、という感じだったけど。ああ、また、注目。ズボンがちょっと汚れたけれど、たいしたことではない。
Hがなぜか私の係りになって、乗りなさい、などと指示をする。そして、時間ですと促す。私が乗り終わったころRが来た。事務所の前で、クラウンドリームに鞍をつけている。Mさんが、私が落ちたことを言った。また、びっくりさせてしまった。今日は、学校の子どもたちが来る日。私は、テイクイットイージーのグルーミングをしたかったが、まだ学校用に使うので、Hが鞍を外さないでいいと言った。まだ、背中の傷が治りきっていない。私だけで終わりにして、他の人に乗ってほしくないんだけれど。(翌日、傷が悪化していること判明。ああ、また、しばらく乗れない)


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