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よしこの乗馬日記 4



                        
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41 鞍目  612日(水)8:00-8:40  Northern Crown/K&R

 雨も降らず、いい天気。2週間ぶりのネパール。みんないた。久しぶりなので、馬も私も調子が出ない。「習ったこと、全部忘れたの?」とRに言われてしまった。なかなかトロットが出ない。みんなに写真とお土産のチョコレートを渡す。Kは、上機嫌。76日がショーの日だそう。私のために最前列の席を用意する。ビデオをいっぱい撮ってほしい。(彼は、ファションショーのモデルもしている)

42鞍目 613() 8:00 ? 8:40  Take It Easy/ R

 どの馬に乗りますか、と聞く。木曜日は、学校への出張クラスで、これから三頭連れて行くそうだ。残った馬の中から選ぶしかないでしょう。テイクイットイージーが用意された。この馬は反応がいいから、与える刺激を少なめに、とのこと。タケオには、相変わらずミスターパーフェクト。
 私が馬に乗ろうとすると、とことこ勝手に動きだした。半分乗りかかったまま、やり直し。Rがやってきて見ると、鞍がゆるんでいた。締めなおし。馬が一回り小さい。背も低い。乗ってみると、細いだけあって、足がうまくはまりコントロールしやすい。トロットは、無理なく出来る。馬場の真ん中では、インドの人が馬車用の馬を長綱でトレーニング中。結婚式用の馬車の注文に備えてブラックコマンドとアダムズチョイスが選ばれているが、それに加えて、これは、ガラントリーアウォードであるような。
 レッスンは、
Sitting trot とトロットの繰り返し。トロットが早い。気持ちいい。手綱を左右に広げるのではなく、縦に短くしたり長くしたり交互に調節することによって曲がる方法を教えてもらった。タケオが行ってから、Rが、ミスターパーフェクトに乗り、あとについてカンターの練習。曲がり角から踵を入れるとカンターが出る。出かけては、トロットになる。やっと、直線距離で出た! Rがよそ見をしている。「Look! 」と叫びながら走る。見てくれた。やった、やった、と笑顔。何度か繰り返した。でも、途中でするりと落ちた。ずり落ちる感じで。あ、これは、誰も見ていない。よかった。それから、やり直したら、今度は、本格的に落ちた。あまりに直線距離が短いのだ。私が曲がる指示を出す前に、馬が曲がった。そのとき、レンガの壁に肩の後ろをぶつけてしまった。痛いのとショックで、しばらく座っていた。助け起こそうとしてくれたが立ちたくなかった。なぜ落ちるのだ。カーブに弱い。手で支えきれない。私が曲がったのではなく、馬が曲がった。曲がる方向にあわせて体を持っていけばよかったのだ。なんだか情けなくなった。Rは、あの場合は誰でも落ちる、自分だって、Kだって。と慰めを言ってくれた。目撃者は、あと一人インドの人。心を落ち着けるためにか、「少し歩いたら」
 ミスターパーフェクトはグルームボーイに持って行かせて、私の馬に乗ってお手本を見せてくれた。写真を撮った。他のみんなも来たので、一緒に撮影会にしてしまった。ネパール人の若い男女が3組ほど来ていて、これから試乗するらしい。インドの人が奥の厩舎から二頭連れてきた。ミッドナイト、ガラントリーアウォード、それに、ブラックコマンドが加わって、馬場はにぎやか。みんな忙しくなった。

私は、テイクイットイージのブラシングをした。それから、しっぽの三つ編みも。インドの人が手伝ってくれた。彼は、蹄鉄師だそうだ。それから、耳の検査。いるいる、小さなダニが。持っていた除菌濡れティシューできれいにする。専用の消毒薬を使うといいと彼が言っているようだが、ヒンディ語なので、よく分からない。しっぽだけでなく、たてがみも編んでいいようなことをRは言った。タケオは、クラブ募集のアイデアとして、旗立てて土曜日の町の中を馬パレードしたらどうか、としきりと言っていた。Rはそれを受けて、私に、パレードのときは、馬におしゃれさせよう、と言った。三つ編みは、やったことがないから教えてくれと言った。冗談かなあ。
 馬房の件。私が、奥の馬房が広すぎるから、仕切りを作って、床の藁が逃げないようにするといい、と旅立つ前に言ったのを、すぐ実行したらしい。「見た?」と聞く。私がアイデアを出したその日に自分で作ったんだよ、そうしたら、馬の体の傷がなくなった、と嬉しそうに言う。あとで写真を撮りがてら見に行ったら、太い竹の棒が一本渡してあった。あ、こんな簡単なことでよかったんだ。
 馬場では、ネパールの男の子たちが乗っているのを三人の女の子たちが見ている。一人は、結婚していて、二人は学生。今は、学校がないそうだ。しばらく話をネパール語でした。男の子のうち二人は、トロットをしていた。初めてではないようだ。一人は、アメリカンブーツをはいていた。女の子たちの番になった。キャーキャー大騒ぎして馬に乗る。一人(結婚している子)は、あまりに馬の背が高いので、怖がってすぐ降りた。一人だけが怖がらず、引き馬で静かに乗っていた。女の子たちの試乗はすぐ終わった。


43 鞍目 614() 7:50  -  8:30  Midnight/ R

 今日も晴れ。このところ、朝は降らずに夕方降る。どれに乗る? と、またKが聞く。用意されたのは、ミッドナイトとガラントリーアウォード。私はミッドナイトに乗った。二頭ともやせっぽち。まだ、あばら骨が浮き出ている。でも、ひところよりよくなって、ちゃんと人を乗せられるようにまでなったのだ。
 Kは、「きのう、何回落ちた?」と聞く。
「二回だけ」「ほう、二回だけ、ね」
 カンターは、まだレーンジをつけずに乗ってはいけません、とのお達し。短い輪乗りしかダメだそう。全然迫力ないよ。馬場に入ると、Rが長綱を持って待っている。ま、まさか、の遊園地乗り。いやだなあ。でも、結局、先にトロットをしてからということになって、いったんつけたレーンジは外された。トロットを始めていたタケオに加わり、私が先導してトロット。最初は止まりがちだったが、いったん乗って調子をつけてくれたので、うまく行った。結局、この日は、カンターせず。
 手綱を緩める前にいったん強く引く。これだ!「私、ここにいるわよ。私の指示にしたがうのよ」と強気の姿勢を見せるといいのだ。ミッドナイトは初乗り。だけど、私の指示でちゃんと走る。ムチは持っていたけど、ほとんど使わなかった。こんなコツ、どうして、今まで誰も教えてくれなかったのだろう。いつも、
”Give the rein!” だもの。メリハリつけないと、馬だって戸惑うよ。あ、馬になってみるのも、トレーニングとしていいかも。二人チームになって、手綱の合図をどう受け止めるかのシミュレーションをしてみる。馬の立場なんてわからないのだもの。
 Rの指示で、トロットと
Sitting Trot の繰り返し。これでバランス感覚と膝の締め具合をつかむ。そして、トロットのスピードを上げる工夫。立ち上がりひとつおきに、馬の腹を蹴る。立ち上がったまま走る練習もするように言われたが、これはなかなかうまく行かない。タケオは出来ていたみたい。タケオのあと、Rが乗って一緒にトロット。そのとき、輪乗りの方向を変えたので、最初はちょっとやりにくかった。馬がすぐ入り口のほうに行きたがる。いったん決めた方向転換は何が何でもやらねばならない。私は、がんばって手綱を引いて、私の行きたい方へ行かせた。途中で休憩も入れた。馬のためのお休み時間。Eランチの馬たちは、15分ぐらい走ると、2,3分じっと静止していた。ミッドナイトはじっとしているのが苦手みたい。静止がきれいに出来るように訓練しなくては。ミイッドナイトがしきりと首を下げる。ハエがうるさいだけではない。足が痛いのかな。ウォークに切り替える。歩きながら足の先を見てみたけれど、よく分からない。前から足の調子が悪いことは分かっていた。競馬の馬だもの。ジグザグ歩きをやった。手綱は、前後に交互に引いて。これは、プロの手綱使いだそう。確かにこの方が、手を横に広げるよりスマート。 WALKすると、私の馬は細かな動きにもちゃんとついてきてくれた。うれしい。

 インド人と一緒にミッドナイトのグルーミングにかかった。彼は、布を持ってきて、耳の中をきれいにした。まず、手で体全体のマッサージ。いらない毛がほこりといっしょに出る。それから、ブラッシング。私が寄付したあたらしい雑巾をKが湿らせて持ってきてくれた。顔とたてがみを拭く。体の最後の仕上げに、毛並みに沿って雑巾で拭く。私は、たてがみの付け根のフケが気になって仕方がない。水不足なので、ながいこと洗ってもらっていないみたい。濡れ雑巾でかなり、ごしごしやった。レッスンが終わって、汗びっしょりのガランとリーアウォードが来た。私は、手で汗取りマッサージをはじめた。「ネパールのブラシだよ」と藁ブラシをもらった。背中の汗をそれで拭いた。雑巾で顔とたてがみを拭いた。顔に近いたてがみの中にダニ一匹発見。それから、ブラシング。最近インドから来て雇われたHは、神様の贈り物みたいな人だとRはいう。かいがいしく馬の鞍をつけたり、薬つけたり、馬車用の馬の調教をしたり、グルーミングもする。蹄鉄も作れる。でも、馬に乗ったり教えたりはしない。インドで20年ぐらい馬の世話にかかわってきた経験がある。獣医には分からないような、蹄鉄のトラブルなども対処できて助かったそうだ。道理で、何も言わないうちからさっさと耳掃除やっていた。ポアロ氏のように先がくるっと上向いた髭を持っていて、エキゾチックな目をしている。着るもの着て、出るところへ出たら、すごいかも。(パレード要員、また一人ゲット。ここはサーカス団か?)


44 鞍目 614() 7:50 − 8:30  Gallantry Award/ K

 二頭の馬にすでに鞍が乗せられ用意されていた。40数人の学生たちが来るので、たくさんの馬が必要なのだ。次々と鞍が乗せられ、馬が用意されていた。
 タケオと二人で比較的調子よく乗り、Kがそれを見ていた。タケオがやめて帰ったあと、
sitting trot の正しい方法の見本を示してもらった。お腹の前後運動が激しく必要。彼がやるといとも簡単に見える。バスで生徒たちが来た。すごい、10頭の馬が用意された。これから、毎週土曜日に来るらしい。


45鞍目 615() 7:50 − 8:30 Take It Easy /R

タケオはスィフトレディを与えられ、速いので上機嫌。私を追い抜いたり、後ろから来るときは、むやみと近寄ったりして、注意されていた。馬の後ろに近づくとお尻に噛みついたりすることがある。そうすると、バッキングして、私が振り落とされる危険がある。タケオは、手をそろえること、下に向けることの注意を受ける。また、手綱をもっと短く持つように。今日は、トロットとSitting Trot との繰り返し。また、立つ練習もした。が、なかなかバランスがむずかしい。少し、長く続けて出来たときは、手をたたいてほめてくれた。Sitting Trot がうまく出来たときの感じとそのポジションを自分でつかむこと、というアドバイス。
 Oさん夫妻が来ていた。奥さんは、レーンジをつけてゴールデンスターに乗った。何度か来ているらしく、ブーツも出来上がっていた。ご主人は、今日が始めての様子。彼女がレーンジを外され、自由にトロットをしているとゴールデンスターが速く走った。Rが気が付いて「ホホール」と声をかけたが、止まらず、落馬したらしい。私は、現場を見ていない。あとで知ったが、タケオは見ていたそうだ。そのあと、彼女は、またレーンジつきのレッスンになり、まもなく、馬場を出た。
 
テイクイットイジーは、止まるとき、ずるずると引きずる。「私のせい?」と聞くと、いや、この馬はぴたっと止まる訓練が出来ていない、とRが言った。「これから一緒に訓練していこう」最後に馬上体操のあと「この前のお返し」で私を馬の背に乗せて馬場を一周。ノーザンクラウンと違って、テイクイットイージーは、お尻の骨が出ているから、ごつごつした感じ。やっぱりマクラいる。終わったとき、Kが来て、それは危ないからやめなさい、と言われた。見つかる前に、体を起こしておけばよかった。
 この前撮った写真をみんなにプリントアウトしたものを配る。Lさんが、ありがとうをいいに来た。今日は、グルーミングできなかった。


46 鞍目 617 () 8:00-8:40 Golden Star/ R

 不調。タケオは、スィフトレディを与えられてうれしそうに飛んでいった。私のために手配されたのは、速さで名うてのゴールデンスター。レーンジをつけてトロット。今朝気が付いたが、右足の膝の内側に小さな擦り傷。パッドを当てておいたが、ずれたみたい。痛い。足の位置を少しずらして鞍に触れないようにして乗る。腹をひとつおきに蹴るのがうまく出来ない。Sitting trot もバンプしてうまく行かない。カーブでバランスが崩れそうになる。何度か繰り返しているうちに、ゴールデンスターがどんどん内側に入り、私が抑制しにくくなる。止まって体勢を立て直す。「ラクに呼吸して」とRが言う。「具合わるいの?」「うまく出来ない」「今日は、なにかあるね。どうしたの?」なぜか、不安がこみ上げてきた。涙が出そうになったので、私は、唇をかんだ。「多分、きのうの落馬と同じ馬だから」私が言うと、すかさず、
「ちがうよ。きのうの人は、別の馬から落ちた。それで、この馬に乗り換えたんだよ」子どもにいうようなうそ。それから、馬になにか言い聞かせている。そして、ネパールの歌を歌い始めた。「ジンダギ(人生)」と「マヤ(愛)」という言葉が分かった。勇気づけてくれているのだ。人生の歌。馬が反応している。
 体操してから、私は、馬を引っ張って行った。とてもお行儀よくついてくる。鞍を外してから、お腹の下にハエがたかっていたので、何気なく払った。険しい声で注意された。後ろ足で蹴飛ばされることがあるから。馬に悪気がなくても、こそばゆくされると、つい蹴るからね。そのあと、確かに、後ろ足を腹に向かって蹴る動作をした。まだ時間があったので、グルーミングをしたい、と言った。ギャラントリーを芝生に連れだして、Hがもってきてくれたブラシを使った。グルーミングが終わったら、Kと話しした。きょう、不調だったこと。こわくなったこと。Kは、いすを引き寄せて、私と向かいあい講義を始めた。次は自分が教える。Rは、ここで学んでまだ日が浅いから教え方が未熟だと言った。でも、私が落ちたり怖くなったりしたことがRのせいにされたら困る。ここのシステムはよく分からないのだけれど、いつも自然に彼が私の担当になる。真剣に教えてくれる。自分が技術を得る過程で役立った方法を私に教えてくれる。自分の実力や経験をすこしも隠さない。怖いときもあるだろうに果敢だ。Rが私に勇気を与えてくれることに感謝している。

 みんなが芝生に座っておしゃべりムードになっていたので、私は、Eランチで売りに出ていた白い子馬の写真を見せた。きれいな馬だとみんな口ぐちに言った。それから、サイドサドルのコスチュームも見せた。Hが、ボンベイとシンガポールにそのようなものがあると、やや興奮気味に語った。それから、ノートパソコンを出して、事務所の前のテーブルで、スライドショーを見せた。


47 鞍目 619 () 8:00-8:40 Crown Dream/ R

 Kは、どの馬に乗りたい? とまた聞いた。タケオは、スイフトレディとすかさず言い、さっさと乗る。私は、小さい馬がいいと言った。Kは、テイクイットイージーの様子を奥の馬房に見に行って、背中の傷が良くないから、今日は、ノーザンクラウンにしようと言った。大きい馬ねといったら、結局、Bさんが用意してきてくれたのは、クラウンドリームだった。この馬は初乗り。ノーザンクラウンを一回り小さくしたような馬。色も金色に近くて似ている。タケオのトロットが止まると同じように止まる。ちょっときかん気があってやりにくい。サークルの出口側でいつも止まる。次は、僕が教えるからね、と言っていたKは、特に何も教えなかった。タケオが私の馬のうしろにつくと危ないので(スィフトレディは前の馬に噛みつくクセがある)、私があとにつくようにした。途中でムチをもらったが、使わなかった。見せるだけでも効果がある。ムチを持っていたほうが、よく走る。
 タケオの馬が一瞬カンターを出した。危うく落ちるところだったが、踏みとどまっていた。Rが来たとき、私は、止まることをしないクラウンドリームに止まり方の訓練をしようとしていた。丸く歩く練習。トロットをしていると、円周の一定の場所で必ず止まったり、別の方向へ行ったりするので、まず、正しく歩くことを教えようとしたのだ。でも、なかなかうまくいかない。Rが、自分が乗って調子をつけようかと言った。馬は、やはり同じ場所で抵抗を示していたが、やがて乗られてしまった。ただ、手綱はかなりきつめ。馬が、顔を内向きにしている。口を開けて苦しそう。私が乗り変えて、トロットをした。やはり、難しい場所では止まる。でも、最後には、トロット開始の合図を足だけでやれるようになった。少し歩いて、また、止まり方を教えた。少しうまく出来るようになった。それから最後にまたトロットを数周して、前よりうまくできるようになったことを確認して終わる。
 洗い場まで馬を引いていった。クラウンドリームは私より先に行こうとする。鞍を外すとき、足をトン、と抗議するように踏み鳴らす。Rは、ハエだろうと言ったが、私にはそうとは思えない。反抗しているのだ。止まれの練習のときもこれが起こった。気に入らないことがあると足を踏み鳴らすのがクセになっているのかも知れない。
この子も、もと競馬馬なんだ。早く走る事だけが得意。この馬はおととい子どもを二人振り落としたらしい。そんなに落馬があっては危険ではないか。
 汗びっしょりかいていたので、藁のブラシを使った。途中でLさんがそんな使い方じゃない、とやり方を見せてくれて、それが終わると、馬は馬房へ。私の出る幕がなかった。コミュニケーションしながら手入れをしたかった。どうぞ、お引取りください、といわれているよう。Rは、自分の担当の馬ではないので、さっさといなくなっていた。Kが事務所の横の囲いの中を草取りする少年たちを監督していた。馬のおやつの草を集めているのかなと思ったが、それだけではなくて、ここに砂を入れて、小さな馬場にする計画なのだそうだ。雨が降っても使えるようにするらしい。


48 鞍目 620 () 7:50 - 8:30 Golden Star/ K

日本からの留学生のTさんを体験乗馬に連れて行く。Kがアダムズチョイスに乗せて訓練。なかなかうまくやっていた。楽しそうだ。タケオは、スィフトレディに乗ったが、不調のよう。私はB さんが用意してくれたゴールデンスター。まだちょっと抵抗があった。B さんは、わざと「ナヤ・ゴラ(新しい馬だ)」だと言った。これも私を安心させるための嘘。速く走るのだけれど、私の言うことを聞いているのではない。自分勝手な方向へ行こうとする。とても苦労した。トロットをやめて、私の思い通りに歩かせようとした。左周りはいいのだけれど、右にとても力がいる。Kが乗ってお手本を見せてくれた。M三姉弟が来た。もう学校が休みだそうだ。私の乗ったあとのゴールデンスタをともみちゃんは乗りこなした。途中、危うく落ちそうになったが踏みとどまった。人が集まったので、ガーデンチェアをまとめて持ってきて置いた音に馬が反応したためらしい。B,L,K、みんな椅子に座って雑談。今日は、リララックスした雰囲気。いつもの学校出張がないからだろうか。


49 鞍目 621日(金)8:00 − 8:40  Take It Easy/ R

 馬場は、雨でぐちゃぐちゃ。タケオは乗る気を失った。馬場を何とかしなくてはとしきりにみんなに話をした。川砂をトラック何杯分かメンバーで寄付を募る。お茶会やバザーをする。乗馬グッズを売る。などのアイデア。馬場の拡張のため、奥の池を埋め立てたらどうかという。私は、感心しない。池を埋め立てて作った馬場は、もっと浸水しやすいかも。第一、資金がない。
 テイクイットイージーは、鞍をつけている間に、私の肩を噛んだ。ふざけてだと思うけれど。ちょっと痛かった。「相手は動物だ。信用してはいけない」とKが言ったのが悲しかった。Rの顔がなんだか変。野球帽を後ろ向きにかぶっているが、そのすきまから剃った額が見えた。「どうしたの?」「亡くなった王様の一周忌だ」帽子をとったら、あらあら、すっかり坊主頭になっていた。後頭部に一箇所だけわずかの毛を残す刈り方。自分に生を授けてくれた人がまだ生きている人は、目印に残すとか。ふわーっと霞のようなわずかの毛。
 テイクイットイージが快適にトロットを走ってくれた。そのあと、Rが口笛を吹くと止まるようにしつけた。何度かやってみた。口笛が聞こえると、私が手綱を緩める。すると、馬はRのいるところへ向かっていき、正面でぴたりと止まる。何度か繰り返した。馬も楽しんでいる。馬が口笛が鳴るのを期待しているみたいで、おかしかった。もしかしたら、サーカスチーム作れるよ。


50 鞍目  622 日(土)8:00 - 8:50  Easy Street /K & Take It Easy /R

 学校の生徒が来る日。全部で7頭用意。生徒は20人。希望者のみを募ったので、先週の半分になっていた。生徒が来る前に、タケオは、スゥイフトレディで楽しく走っている。私は、昨日と同じテイクイットイージーにしたかった。けれど、Kは、「どの馬にする?」と聞いたくせに、イージーストリートを与えた。「同じよう名前だから」でも、全然違う。こっちは雌。曲がらないで好き勝手な方向に行くし、バッキングはするし。散々。危うく落ちそうになった。右へまわらせようとすると、すごい力でいやいやをするのだ。あとでKが乗ってもひどい動きをした。「長いこと人を乗せてないからね」そんなこと、あとから言わないでよ。曲がらない馬と格闘していると、Rが来た。全然うまく行かないので、やめようかと思っていたところだった。Kが乗ってしつけようとしてもだめだったので、代わりにテイクイットイージーを用意してくれた。鞍を付け直すのに手間取っているうちにM三姉弟が来て、走り出したので、私も仲間に入った。今度は、快調に走った。学校の生徒たちが待ちながら見ている前を走った。ゴールデンスターのともみちゃんが先頭で、私、それから、ノーザンクラウンのしんごくん、ケンタくん。途中でやめないでよかった。
 そのあと、待っていた生徒が乗り始めたので、写真やビデオを撮った。K,L、Rがそれぞれひとりづつレーンジングをする。その周りを、四頭の引き馬。待っている生徒たちを話をした。楽しかった。
 一足先に終わったスィフトレディの足を係りの少年が洗っていたので、私はその後のグルーミングをやらせてもらった。自分の雑巾をもっていると役立つ。ああ、さっき
Easy Street の耳の中にちびダニを発見した。なんとかしなくては。



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